当院では、効果・安全性を考え、顔面神経麻痺に対する鍼灸の使用をやめ超音波での施術に切り替えました。超音波治療は非侵襲的であり痛みを伴わない治療法です。鍼灸が針を用いて体内に刺激を与えるのに対し超音波は皮膚の上から音波を利用して深部組織にアプローチします。これにより血流の増加や細胞修復の促進、炎症の軽減が期待できます。効果としては顔面の浮腫やたるみの軽減、表情筋の運動機能の回復、皮膚の弾力性の向上が報告されています。鍼灸治療は一般的に安全とされていますが感染症や出血、内臓損傷といったリスクが伴います。超音波治療は非侵襲的であるため、これらのリスクが極めて低く、安全性が高いとされています。超音波治療は皮膚を通して行われるため感染症のリスクがなく、副作用もほとんどありません。鍼灸治療も顔面神経麻痺に対して効果があるとされていますが効果の現れ方には個人差が大きいです。対して超音波治療は複数の研究で即効性と高い有効性が確認されています。治療を受けた患者の多くが早期に症状の改善を実感し顔面機能の大幅な回復が見られました。特に超音波治療は血流の改善と細胞修復を促進することで治療効果が迅速に現れることが特徴です。
目次
主訴:顔面神経麻痺 千葉県市川市在住 54歳 女性 主婦
既往歴:なし
【来院時の様子】
病歴:
過労とストレスで体力が落ちていた際に顔が固くなり気が付いたら
顔面神経麻痺と診断され投薬を続けていたが余り改善されていないとの事で来院
【2020年、ぬくもり鍼灸院に来院】
望診(西洋医学では視診)
右側の顔面麻痺
・両方の瞼を閉じようにも右瞼のみ閉じれず、白目を向いた状態に
・右口角が下がり への字になっている。
口が上手く開けられず、咀嚼が少し困難になっている為
飲み物を飲むのも当然、食事が思うように摂取できず少し疲れている
顔面神経麻痺が発症してから1か月後に来院されました。医院との併用で行いました
40点法(柳原法)
顔面神経麻痺の評価法として日本中で広く使用されている『柳原40点法』ですが当院でも顔面神経麻痺の施術評価として柳原法(表情筋スコア)を使用しております
正常 | 少し弱い | 出来ない | |
---|---|---|---|
安静時非対称 | 4点 | 2点 | 0点 |
額のしわ寄せ | 4点 | 2点 | 0点 |
軽い閉眼 | 4点 | 2点 | 0点 |
片目つむり | 4点 | 2点 | 0点 |
鼻翼のふくらませ | 4点 | 2点 | 0点 |
頬のふくらませ | 4点 | 2点 | 0点 |
口笛運動 | 4点 | 2点 | 0点 |
「イー」という口 | 4点 | 2点 | 0点 |
口をへの字に曲げる | 4点 | 2点 | 0点 |
この顔面神経麻痺に対する評価法ですが
見た目で評価できるのが東洋医学にも良い所ですね、また自分で確認できる所も素晴らしく余り改善していないのではないか?と落ち込む方もいますが、都度確認するとモチベーションも上がり改善に向かうと考えております
顔面神経麻痺の施術開始
2回目(初診時の指針は上部に)
スーパーライザー・鍼灸・整体・微弱電流での施術
初回での施術で大きな変化ないがマッサージも併用での効果か顔の皮膚が柔らかくなったようなきがする
3回目(顔面神経麻痺での施術)
2回目の施術直後に右瞼少し閉じれるようになったが元に戻ってしまった
安静時のへの字口(右口角)は左の高さに近づいてきた、施術後から夜の睡眠時間が増えてきた
顔面神経麻痺での通院は2週間に1回、柳原法での採点は18点
4回目・5回目・6回目(顔面神経麻痺コース)
右の瞼に関しては、意識をすれば閉じれるようになり涙が非常に減ってきた。また睡眠時間も安定して取れるようになり、気持ちの部分もだいぶ改善してきた、まだ口角、額のシワが左右で違いがある
柳原法での採点は26点
7回目(顔面神経麻痺コース)
安静時(施術台で仰向け)の状態では口角の高さが同じで、歯を磨き口をゆすいでも水がこぼれなくなっていた。
また目を閉じる動作も右はやや遅れるが、いしっかりと閉じれている、若干だが眉を上にあげる動作をした際、額のシワの方数が左右似てきている
柳原法での採点は32点
8回・9回目(顔面神経麻痺コース)
右瞼、口角共に正常
多少差があるが、久しぶりに会う友人などは顔面神経麻痺になっていた事に気が付かず喜んでいた。
柳原法での採点は34点
10・11回目(顔面神経麻痺コース)
ほぼ普通の動作をしても不便を感じることなく生活が出来るようになったので卒業させていただきました。
柳原法での採点は36点