顔面神経麻痺後に顔の片側だけがひきつる原因は?
顔の片側だけがひきつる主な原因は、大きく分けて2つの異なる病気が考えられます。それは、顔面けいれんと顔面神経麻痺の後遺症です。
片側顔面けいれん
顔の片側だけがピクピクと自分の意思とは関係なくけいれんする場合、最も可能性が高いのは片側顔面けいれんという病気です。
なぜ起こるのか?
この病気の最も一般的な原因は、顔の表情筋を動かす顔面神経が、脳の近くで血管によって圧迫されることです。動脈が蛇行して顔面神経にぶつかっていることが多く、その動脈の拍動が神経に繰り返し刺激を与え、異常な信号を発生させます。その結果、顔の筋肉が不随意に収縮してけいれんが起こります。まれに、腫瘍などの影響で神経が圧迫されることもあります。
症状の特徴
- 目の周りから始まることが多い:最初は片方のまぶたがピクピクとけいれんし、それが次第に頬、口元へと広がっていきます。
- 疲れやストレスで悪化する:緊張したり、人前で話したりすると症状が強くなることがあります。
- 顔の動きは正常:けいれんがないときは、顔の筋肉を動かすことは問題なくできます。これは顔面神経麻痺との大きな違いです。
顔面神経麻痺の後遺症
過去に顔面神経麻痺を経験したことがある方が顔のつっぱり感や引きつりを感じる場合は、麻痺の回復過程で生じた後遺症が原因と考えられます。
なぜ起こるのか?
顔面神経麻痺では、神経が損傷し、顔の筋肉が動かなくなります。その後、神経が再生する際に、本来とは異なる筋肉へ誤って神経がつながってしまうことがあります。この現象を病的共同運動と呼びます。
例えば、口を動かそうとすると、無意識に目も一緒に閉じてしまう、といった症状が代表的です。この病的共同運動が起こると、顔の特定の筋肉が常に過剰に活動し、引きつったような「つっぱり感」を生じさせます。これは顔面拘縮と呼ばれる状態です。
症状の特徴
- 顔面麻痺の既往歴がある:過去に顔の片側が全く動かなくなった経験があることが前提となります。
- 表情を作るときに顕著:特に笑ったときや話しているときに、引きつり感が強くなります。
- 顔の動きが左右対称ではない:麻痺があった側が、健康な側と比べて動きが硬く、引きつったように見えます。
治療法
- リハビリテーション:専門家の指導のもと、顔の筋肉をゆっくりと伸ばすマッサージや、表情筋のコントロールを再学習するリハビリを行います。
- ボツリヌス毒素注射:病的共同運動によって過剰に緊張している筋肉に注射することで、つっぱり感を和らげ、顔のバランスを改善します。
顔面けいれんと顔面神経麻痺後遺症の見分け方
| 特徴 | 片側顔面けいれん | 顔面神経麻痺後遺症 |
| 主な症状 | 自分の意志とは関係なく、顔がピクピクと動く | 表情を作るときに、顔がひきつったりつっぱったりする |
| 既往歴 | 特になし | 顔面神経麻痺を経験している |
| 初期症状 | 目の周りのけいれんから始まることが多い | 顔の動きが鈍くなったり、全く動かなくなる |
もし顔の片側だけがひきつる症状にお悩みでしたら、まずは脳神経外科や耳鼻咽喉科を受診し、専門医に相談することが大切です。正確な診断を受けることで、適切な治療法を見つけることができます。










