なぜ睡眠障害があるとパニック障害や不安が強くなるのか?
夜、しっかり眠れない日が続くと、なんとなく気分が落ち込んだり不安が強くなったりすることはありませんか?特にパニック障害や不安症をお持ちの方は、「ちゃんと眠れなかったときほど症状が悪化しやすい」と感じることがあるかもしれません
このような現象が起こるのには、ちゃんとした理由があるんです。睡眠不足や睡眠の質が悪い状態が続くと私たちの体の中で自律神経という神経のバランスが乱れやすくなり、その結果、不安感やパニック発作が出やすくなります。これは体の中の働きやホルモン分泌、血流などが密接に関係しているためです
睡眠障害とは?
睡眠障害の種類
睡眠障害とは質の良い睡眠が取れない状態のことを指します
- 不眠症:寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めてしまう状態
- 過眠症:必要以上に長時間眠ってしまう状態
- 睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に呼吸が一時的に止まる状態
- レム睡眠行動障害:夢を見ている間に体を動かしてしまう状態
睡眠障害の原因
睡眠障害の原因はさまざまですがストレス、生活習慣、環境の変化、精神的な問題(例えばトラウマ)などが挙げられます。特にパニック障害や不安障害を持つ方は、これらの精神的な要因が睡眠に影響を与えることが多いです
パニック障害と不安障害とは?
パニック障害
パニック障害は突然強い恐怖感や不安感を感じる状態です。これを「パニック発作」と呼び、胸の痛み、息苦しさ、めまい、心拍数の増加などの身体的症状を伴います。パニック発作は予期せぬ瞬間に起こり日常生活に大きな影響を与えることがあります
不安障害
不安障害は過剰な不安感や恐怖感が持続する状態です。一般的な不安感とは異な、日常生活に支障をきたすほど強く、長期間続くことが特徴です。原因としてはストレスやトラウマ、遺伝的な要因などが考えられます
睡眠の役割と体への影響
まず睡眠はただ単に「目を閉じて体を休ませている時間」ではありません。睡眠中には私たちの体と心をリセットし健康を保つためのさまざまな働きが行われています
睡眠中に体で起こること
睡眠中には次のような重要な役割が果たされています
脳の疲れをとる
私たちの脳は一日中働いており疲労がたまると記憶力や集中力が低下してしまいます。睡眠中に脳の神経細胞が休むことで疲労を回復させ記憶を整理していくのです
体の修復と成長
睡眠中には「成長ホルモン」が分泌され、体の細胞を修復したり、成長を促したりします。これは大人にとってもとても重要な働きで筋肉や骨の回復、臓器の修復などが行われています
ホルモンバランスの調整
睡眠中に分泌される「メラトニン」や「コルチゾール」といったホルモンは私たちの気分を安定させたりストレスに対抗する力を高めてくれる働きがあります
睡眠と自律神経の関係
睡眠は体の中で重要な働きを担っている「自律神経」のバランスを保つためにも非常に大切です
自律神経とは?
自律神経は心臓の鼓動や呼吸、消化、体温調節など、体の働きを無意識に調整してくれる神経です。自律神経は交感神経と副交感神経という2つの神経から成り立っています
交感神経の働き
活動しているときや緊張しているときに働く神経です。心拍数を上げ、血圧を上昇させ、体を「活動モード」にする役割があります。運動中や仕事中など体をアクティブにするために必要な神経です
副交感神経の働き
リラックスしているときに働く神経です。心拍数を下げ、血圧を下げ、体を「休息モード」にしてくれます。睡眠中や食事のあとなど、体が落ち着いているときに働きます
通常、私たちの体は日中は交感神経が優位になり、夜になると副交感神経が優位になるというように、この2つの神経がバランスよく働くことで体の調子を整えています。しかしバランスが崩れてしまうと体や心にさまざまな不調が現れます
睡眠不足が自律神経に与える影響
睡眠不足や質の悪い睡眠が続くと体の中で自律神経のバランスが崩れてしまいます
交感神経が過剰に働く
睡眠不足が続くと体がしっかり休まらず副交感神経の働きが弱くなります。その結果、交感神経が過剰に働くことになります。交感神経が過剰に働くと次のような状態になりやすくなります
- 心臓の鼓動が速くなる:心拍数が上がり胸のドキドキ感が続いたり不安感を感じやすくなります
- 血圧が上がる:血圧が高くなり体が「警戒状態」に陥ります。これにより些細なことにも敏感に反応してしまいます
- 呼吸が速く浅くなる:呼吸が速くなり体に酸素を取り込む量が少なくなり息苦しさを感じることがあります。これがパニック発作の引き金になることもあります
これらの状態は体をリラックスさせる副交感神経が十分に働いていないために起こるものです。交感神経が常に優位になっていると体が休まらずストレスが蓄積しやすくなります
副交感神経の働きが低下する
副交感神経がしっかりと働かないと体は次のような状態に陥ります
- リラックスできない:体がリラックスできないため常に緊張状態にあります。これが睡眠不足の原因となり、さらに自律神経のバランスを崩す悪循環を引き起こします
- 体の回復力が低下する:睡眠中に分泌される成長ホルモンなどの分泌が減少し体の修復や成長がうまくいかなくなります
- ストレスに敏感になる:体が休まらず心の余裕もなくなるため普段は気にならないことでもイライラしたり不安を感じたりしやすくなります
このように自律神経のバランスが崩れると体と心の両方にさまざまな悪影響が現れてしまいます
睡眠不足がパニック障害や不安を強くする理由
では、どうして睡眠不足がパニック障害や不安を強くしてしまうのでしょうか?
睡眠不足が体に及ぼす具体的な影響
脳への影響
睡眠不足になると脳の働きが低下し、思考がネガティブになりやすくなります。これは脳内の「セロトニン」や「ドーパミン」といった気分を安定させるホルモンの分泌が減少するためです。特に「セロトニン」は不安感やイライラを抑える働きがあるため睡眠不足になるとこのホルモンの分泌が不十分になり不安感が強くなることがあります
血流の変化
睡眠不足が続くと脳への血流が不安定になり脳の働きが低下します。これにより心の余裕がなくなり不安感やパニック発作が出やすくなります
自律神経の乱れ
睡眠中に自律神経のバランスが整えられますが、睡眠不足になると、このバランスが乱れてしまい体が常に緊張状態になります。これがパニック発作や不安感を引き起こしやすくする要因となります
不安やパニック発作を引き起こしやすい状況との関係
もともと特定の場所(人混みや閉鎖空間など)で不安やパニック発作を起こしやすい方は、睡眠不足になると、その症状がさらに強まることがあります。これは、体と心の「ストレス耐性」が低下するためです。睡眠不足によってストレスに対する耐性が弱まり些細なことでも不安感が増大することがあります
科学的な研究データの存在
多くの研究により睡眠不足が自律神経のバランスを乱しパニック発作や不安症状を強めることがわかっています。また睡眠中のホルモン分泌や脳の働きが不安感やパニック発作に与える影響も明らかになっています。また多くのパニック障害や不安障害の利用者さんが「眠れなかったときに症状が悪化する」と感じていることからも睡眠不足と不安感・パニック症状には強い関連性があることが示されています
個人差はあるが全体として強い関連性が認められる
もちろん個々の体質や生活環境によって影響の度合いは異なりますが全体としては睡眠不足が不安やパニック発作を悪化させる傾向が見られるため無視できない関係性があると言えます
当院のこだわり28年以上の経験を活かし、まずは「身体の基本」を整えることから
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