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複数のやる事・仕事があるとパニック障害や不安が強くなる理由
仕事や家事、育児など、複数のことを同時に進めなければならないとき特にパニック障害や不安障害をお持ちの方は、普段よりも強い不安感やパニック発作を経験することがあるかもしれません
仕事の締め切りがいくつも迫っているとき、子育てと家事を同時にこなさなければならないときなど、タスクが山積みのときに「胸がドキドキする」「呼吸がしづらい」「不安が強くなる」と感じたことはありませんか?
これは「複数のやる事・仕事がある」という状況が体と心に大きな負担をかけることで、体の中で「自律神経」という神経のバランスが乱れパニック発作や不安感を引き起こしやすくなるためです
複数のやる事・仕事があるとどうして不安やパニック発作が起きやすくなるの?
複数のタスクを同時に抱えるとき体はそれに対応するために交感神経を活発にし脳や体を「戦闘モード」にします。これにより次のような状態が起こりやすくなります
心拍数の増加
脳が「やらなければならないことがたくさんある」と認識すると交感神経が優位になり心臓の拍動が速くなります。これは体が「すぐに対応できるように」準備をしている状態ですが、パニック障害や不安症の方にとっては、このドキドキ感がパニック発作の引き金になることがあります
血圧の上昇
交感神経が優位になると血管が収縮し、血圧が上昇します。これにより頭痛やめまいが生じることがあり、これもまた不安感を強くする原因となります
呼吸が浅く速くなる
ストレスや焦りを感じると呼吸が浅く速くなります。これが体内の酸素と二酸化炭素のバランスを乱し息苦しさや過呼吸を引き起こすことがあります
自律神経のバランスが乱れるとどうなる?
「複数のやる事・仕事がある」という状態は常に交感神経が優位な状態を生み出し副交感神経の働きを抑制してしまいます
体が常に緊張状態になる
副交感神経がしっかり働いていないと体はリラックスできず、常に緊張状態が続きます。この緊張状態が続くと不安感やパニック発作のリスクが高まります
疲労感やイライラが増す
副交感神経が働かないことで体の回復力が低下し疲労感やイライラが増してしまいます。これが不安感やパニック発作を引き起こしやすくする要因となります
ホルモンバランスが崩れる
交感神経が優位になるとストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が増加します。コルチゾールは体のストレスに対処するために必要なホルモンですが過剰に分泌されると体や心の緊張を高めパニック発作や不安感を引き起こしやすくなります
脳への血流の変化とその影響
「やることがたくさんある」と感じると脳は瞬時に「優先順位付け」を行い重要なタスクを優先的に処理しようとします。このとき脳の働きが活発になり脳への血流が増加します
しかし交感神経が過剰に働き続けると血管が収縮しやすくなり脳への血流が不安定になります。この血流の不安定さが次のような影響をもたらします。
前頭葉の血流低下
脳の前頭葉は判断力や集中力、感情のコントロールを担う部位です。血流が不安定になることで、この部分の働きが低下し、冷静な判断ができなくなったり、感情が不安定になりやすくなります
偏桃体の過剰反応
偏桃体は恐怖や不安といった感情を司る部位です。交感神経が優位な状態では、この偏桃体が過剰に反応し不安感や恐怖感を引き起こしやすくなります
海馬の働きが低下する
海馬は記憶や学習を司る部位です。疲労やストレスが溜まると海馬の働きが低下し記憶力や学習能力が低下することがあります。これが「ミスをしてはいけない」「ちゃんとできないかもしれない」という不安感を増大させパニック発作の引き金になることがあります
血管の収縮と呼吸の乱れ
血管の収縮
交感神経が優位になると血管が収縮し、血流が悪くなります。特に脳の血管が収縮することで頭痛やめまいを引き起こしやすくなります。これが不安感やパニック発作を引き起こす要因となります
呼吸の乱れ
ストレスや焦りを感じると呼吸が浅く速くなり過呼吸状態になることがあります。これが体内の酸素と二酸化炭素のバランスを乱し、息苦しさや動悸、パニック発作の引き金となることがあります
自律神経の反応
多くの研究によりストレスや過剰なタスクが自律神経のバランスを乱し交感神経が優位になることがわかっています。このとき心拍数や血圧が上昇し、体が過緊張状態になることが確認されています
多くのパニック障害や不安障害を持つ利用者さんが実際に「やる事が多いときにパニック発作が起きやすい」「複数の仕事を同時に進めると不安感が強くなる」と感じていることからも、これらが無関係ではないことが示されています
自律神経が交感神経優位になることで血流やホルモンバランス、呼吸に影響を及ぼし脳の働きが低下することは明らかになっています。これが不安感やパニック発作を引き起こす要因であるため、単なる「気のせい」とは片付けられません
まとめ
「複数のやる事や仕事があるとパニック障害や不安が強くなる」交感神経と副交感神経のバランスが崩れ体が常に緊張状態になることで、脳や血管、呼吸、ホルモン分泌に悪影響を及ぼし、不安感やパニック発作の引き金になることがあります
もし、やる事が多く複数の仕事を抱えたときに不安やパニック発作を感じたら、無理をせず、少しずつタスクを片付けるように心がけ体と心の負担を減らしてみましょう。また睡眠や休息をしっかり取り自律神経のバランスを保つことも大切です
当院のこだわり28年以上の経験を活かし、まずは「身体の基本」を整えることから
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