夜の不安とSNSの悪循環が不妊に与える影響
妊活中に日々のストレスや不安と戦っている方も多いことでしょう。特に夜になると不安が増してしまい、ついついスマホを手に取りSNSを見てしまう。そんな行動が実は妊活や不妊に悪影響を与えていることをご存知でしょうか?
夜になると不安が強くなる理由とは?
まず夜になると不安が強くなるのは自然なことです。日中は仕事や家事で忙しく自分の心の中に向き合う時間があまりありません。しかし夜になるとその忙しさが落ち着き、静寂が訪れます。この時間は自分と向き合う瞬間でもあり普段気づかなかった不安や悩みが浮かび上がりやすくなります
妊活中の方にとって、この不安はより強く感じられるかもしれません。将来のこと妊娠の可能性、身体の変化など、様々な不安が頭をよぎり、心を落ち着けるのが難しくなります。その時に、ついスマホを手に取りSNSで情報を探すことが不安解消の一つの手段に感じられるのです
SNS観覧が止まらなくなる理由
不安を紛らわせたいという気持ち
SNSは同じような状況にいる人たちとつながれる場所でもあります「他にも同じ悩みを抱えている人がいる」と感じることで、安心感を得ることができるため一時的に不安が和らぐこともあります。また妊活に関する有益な情報を探そうとする気持ちもわかります。しかし、この行動が実は悪循環を引き起こす原因にもなり得るのです
脳が快感を求めている
SNSをチェックして「いいね」やコメントをもらうと脳内でドーパミンが分泌され、一時的な快感を得ることができます。これが習慣化し、さらにSNSを見続けてしまう悪循環に陥るのです。特に夜間は脳が疲れている状態なので簡単に手に入るこの「快感」を求めてSNSの閲覧がやめられなくなってしまうことがあります
SNS閲覧が引き起こす悪循環と妊活への影響
睡眠の質の低下
夜間にスマホを使うとスマホの画面から発せられるブルーライトがメラトニンの分泌を抑えます。メラトニンは睡眠を促すホルモンであり妊活においても重要な役割を果たします。メラトニンは卵子や精子を酸化ストレスから守る抗酸化作用があるため質の良い睡眠をとることが卵子や精子の質を保つためにも欠かせません
しかしSNSを長時間見続けることでメラトニンの分泌が抑制され寝つきが悪くなる睡眠が浅くなるといった問題が発生します。睡眠の質が低下するとホルモンバランスが乱れ、結果的に卵子や精子の質にも影響を及ぼす可能性が高まります
他人との比較によるストレス増加
SNSには他人の幸せな瞬間や成功の報告が溢れています。妊活中の方にとって、これらの投稿は自分と比較してしまい焦りや劣等感を感じる原因になることがあります。「私だけがうまくいっていない」という感情が芽生え不安感がさらに強くなることも少なくありません。このようなストレスが積み重なることで、体内のストレスホルモン(コルチゾール)が増加し妊活に悪影響を与えることがあります
ストレスはホルモンバランスを乱し卵巣や精巣の機能を低下させるだけでなく精子や卵子の質を低下させる原因となります。特にストレスによってDNAの断片化が進み卵子や精子の正常な発育が妨げられるリスクが高まります
夜間のSNS閲覧をやめられない理由
習慣化の罠
一度SNSの閲覧が習慣化してしまうと、やめるのは非常に難しいです。特に寝る前にスマホを手に取ることが当たり前になってしまうと無意識に画面をチェックすることが日課になります。この習慣が夜の不安を紛らわせる手段として固定化されているため、やめようとしても脳が快感を求めてしまうのです
情報を見逃したくない心理
妊活中の方にとって最新の情報や他の人の体験談はとても貴重です。SNSを使って有益な情報を得ることは決して悪いことではありません。しかし、これが「FOMO」呼ばれる情報を見逃すことへの不安につながることがあります。この心理状態ではSNSをチェックすることが義務のように感じられ止めることが難しくなってしまいます
メラトニン、コルチゾール、睡眠不足
メラトニンの分泌抑制
夜間のSNS閲覧はメラトニンの分泌を抑制し卵子や精子の質に影響を与える可能性があります。メラトニンが十分に分泌されないと卵子や精子が酸化ストレスにさらされDNAが損傷しやすくなります
コルチゾールの増加
SNSを通じて他人と自分を比較することでストレスが増大し、コルチゾールの分泌が増加します。コルチゾールはストレスホルモンであり慢性的に高い状態が続くとホルモンバランスを崩し、妊娠の可能性を低下させます
睡眠不足が妊活に与える影響
睡眠不足はホルモンの分泌に大きな影響を与えます。成長ホルモンや生殖ホルモンは睡眠中に分泌が活発になるため十分な睡眠が取れないとホルモンバランスが乱れ、生殖機能の低下につながります。また睡眠不足は体の修復機能を低下させ卵子や精子の質が下がる原因となることもあります
習慣を見直す
夜のルーティンを見直す
まず夜のSNS閲覧を少しずつ減らすことが大切です。完全にやめるのは難しいかもしれませんが就寝1時間前にはスマホやパソコンを手放しリラックスできる時間を作ることから始めてみましょう。心を落ち着かせるためにストレッチや深呼吸、好きな本を読むなどリラックスできるルーティンを取り入れると良いでしょう
デジタルデトックスを試みる
夜間のスマホ使用を控えるためにブルーライトカットフィルターを使ったり通知をオフにして自分のペースでSNSを利用することも有効です。またスマホを寝室から遠ざけ手元に置かないことで無意識にスマホを手に取ることを防ぐことができます
他人と比較しないことを心がける
SNSの世界は一部の側面しか見えていないことを忘れずに。他人との比較を避け自分のペースで妊活に取り組むことが大切です。あなたの努力は十分です。結果を焦らず身の健康を優先することが長期的に見て妊活にプラスになります
不安を共有する
不安が大きくなった時は一人で抱え込まずに信頼できる人に相談しましょう。家族や友人、専門家とのコミュニケーションを通じて、不安を解消し心を軽くすることができます
まとめ
夜の不安やSNSの悪循環は多くの人が経験していることです。しかし、それが妊活に悪影響を与えていることを知り、自分の生活習慣を少しずつ見直すことで改善の道は必ず開けます。睡眠の質を上げストレスを軽減することで心と体のバランスを整え妊娠に向けた土台をしっかりと作っていきましょう
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