骨盤底筋群のトレーニングをする事で卵巣の血流は上がる?

骨盤底筋群のトレーニングをする事で卵巣の血流は上がる?

インターネットや書籍から健康情報が簡単に手に入る時代。特に女性の健康に関する情報は日々更新され、膨大な量の情報に触れることができます

過剰な情報や専門的すぎる言葉に混乱してしまい骨盤底筋群の体操を必死に行っている方を見かけることがあります。その努力は素晴らしいものですが時に体にも心にも負担をかけていることがあるかもしれません。そんな方々へ向けて養生というシンプルで根本的な方法が、実は卵巣の血流や体のバランスを整えるのに大切だというお話をしたいと思います

卵巣の血流を上げようとする体操の限界とは?

骨盤底筋群を鍛えることで卵巣の血流が良くなるとする説は医学的な根拠が乏しいことがわかっています。骨盤底筋群は尿失禁予防や姿勢維持には効果がありますが卵巣の血流を直接的に改善するとは言えません。

卵巣に栄養を届ける血流は主に腹部大動脈から分岐する卵巣動脈によって供給されます。この血流は骨盤底筋群や他のトレーニングの影響を大きく受けるものではありません。それにも関わらず根拠が曖昧な情報に基づいて体操を頑張りすぎてしまうことが、かえって体や心のバランスを崩す原因となることもあります

  • 骨盤底筋群の役割骨盤底筋群は骨盤内の臓器(膀胱、子宮、直腸など)を支持し、その位置を維持する役割を持っています。これらの筋肉は尿失禁や骨盤臓器脱の予防・改善に重要です
  • 卵巣の位置と血流卵巣は骨盤腔の側壁付近に位置し主に卵巣動脈によって血液供給を受けています。卵巣動脈は腹部大動脈から直接分岐し骨盤内に入り卵巣に到達します。この動脈は骨盤底筋群と直接的な接触や圧迫を受ける位置関係にはありません

医学的解説

  • 血流の影響骨盤底筋群のトレーニング(例えばケーゲル運動)は局所的な筋肉の強化や血流の増加をもたらす可能性がありますが、その影響は主に筋肉組織やその周辺に限られます。卵巣への血流は主に卵巣動脈によって供給されており経路は骨盤底筋群の影響を受けません

養生のすすめ

卵巣の血流を改善し小さな卵胞にホルモンがしっかり届くようにするためには日々の生活の質を向上させることが大切です。これが「養生」と呼ばれる考え方です。養生とは日常生活の中で体をいたわり無理せずに健康を保つことを指します

養生がもたらす効果

  • 血流の改善養生を意識した生活は全身の血流を改善します。規則正しい睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事など、日々の習慣が体の毛細血管を増や、卵巣への血流も自然と良くなります
  • ストレス軽減情報過多の中で「もっと頑張らなければ」というプレッシャーを抱えることが、かえって心身にストレスを与えることもあります。養生を取り入れることで心の負担を減らしリラックスした状態を保つことができます
  • ホルモンバランスの改善体がリラックスしている状態ではホルモンの働きも整いやすくなります。これにより卵巣に必要なホルモンがしっかり届き採卵数や卵胞の質にも良い影響を与えることが期待できます
  • 染色体へのダメージ減少養生を通じて健康的な生活を維持することは細胞レベルでの回復力を高め染色体へのダメージを減らすことにもつながります。これにより妊娠を考えている方にとっては卵の質を保つための大切な基盤となります
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