排卵期のLHサージと迷走神経

排卵期のLHサージと迷走神経

注意
この迷走神経へのアプローチは当院が2024年~試験的に開始をしたのですが、卵胞が見えないグループ・空胞が続いている・着床率の向上が見られ2024年11月からメインに切り替える内容となり、利用者さんへの変えた理由・納得をしてもらえたらなと思い書いている記事で今の段階では仮説となります。ただこの施術は非常に難しいです。。。簡単そうにやっていますが難しいのです

迷走神経(第十脳神経)は副交感神経系の重要な神経であり心臓、肺、消化器官などさまざまな臓器に関係しています。迷走神経が生殖機能にも関わっている可能性があり特に排卵時に重要な黄体形成ホルモン(LH)サージに影響を与えていると考えております。

LHサージとは?

LHサージは女性の月経周期において重要な役割を果たしています。これは視床下部、下垂体、卵巣が連携して発生する現象です。エストロゲンが一定量に達すると視床下部と下垂体に作用し、LHが急増します。これにより成熟した卵胞から卵子が放出され排卵が起こるのです

迷走神経がLHサージに与えるとされる働き

迷走神経がLHサージに関与する可能性については次の視点から説明できます(半分は当院の仮説)

神経内分泌
迷走神経は脳幹や視床下部と密接に連携し内臓からの感覚情報を視床下部に伝えます。この働きがLHの分泌を促すゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)に影響を与えLHサージにかかわる可能性があります

ストレス調整の役割
迷走神経はノルエピネフリンやセロトニンなどの神経伝達物質の放出をコントロールしストレス応答にも影響を与えます。慢性的なストレスはGnRHの分泌に悪影響を及ぼし月経周期に乱れが生じる可能性がありますが迷走神経がストレスの影響を抑えることでLHサージが安定することが期待できます

免疫系との連携
迷走神経は抗炎症効果を持つとされ体内での炎症を抑える働きがあります。卵巣機能やホルモンレベルにも影響を与える可能性があり迷走神経が炎症を抑えることでLHサージに必要なホルモン環境が整うと考えられます

代謝機能の調整
迷走神経はインスリン分泌や食欲のコントロールを行い体内の代謝機能を保つのに役立ちます。代謝が整うことでLHサージに必要なホルモン環境が支えられると考えています

迷走神経や自律神経は排卵に関係ない?

迷走神経がLHサージに関わっているとする仮説ですが一般的には、LHサージは視床下部-下垂体-性腺(HPG)軸によって主に調整され自律神経の影響は少ないと考えられています。また迷走神経は生殖ホルモンの分泌には直接関わらないという見方もあります

迷走神経が生殖に影響を与えるとされる研究は主にストレスや代謝の側面を中心に行われているため、LHサージを直接的に調整する役割については明確な証拠が不足しているともいえます

当院の考え方

HPG軸がLHサージの調整において重要な役割を担うことは確かです。しかし神経系の働きも見逃せず。迷走神経を含む神経とホルモンの機能は全体で一体となって作用していると考えています。最近の神経学の研究では迷走神経が視床下部に影響を及ぼし体内のホルモン環境の安定化に貢献する可能性が指摘されています

また迷走神経がストレスや炎症を調整することでHPG軸に関係する生殖機能の正常化をサポートする働きがあることも考えられます。慢性的なストレスや炎症は正常なLHサージや生殖機能に悪影響を及ぼす可能性があるため迷走神経の調整力がここでも役立つとされています

神経とホルモンがつくりだす

迷走神経がLHサージに関与する証拠はまだ限定的ですが神経とホルモンの連携を考えると迷走神経がサポートする生理的な環境がLHサージを支えている可能性があるとも言えるでしょう

迷走神経を整えるためには長期的な身体的ストレス管理が大切

迷走神経は副交感神経系の中心として心拍数の低下、消化促進、リラックスなど、体の「休息と消化」の働きを支えています。迷走神経の健康を保つことは全身の健康とストレス管理にとって大変重要です。しかし短期間の心理的ストレス解消よりも睡眠や栄養などの身体的ストレスを長期的に管理することが効果的とされています

長期的な生活習慣の改善が必要な理由

迷走神経の機能を高めるには時間がかかります。これは神経の働きが環境に適応して強化されるには長期間の生活習慣の改善が必要とされるためです。神経の働きが強化されるには睡眠の質や栄養バランスが影響するからです

身体的ストレスが迷走神経に及ぼす影響

睡眠不足や栄養不足といった身体的ストレスは迷走神経の働きを長期的に低下させる原因となります。これにより体内で炎症が起きたり、ホルモンの働きが乱れることもあり、結果として迷走神経の機能が低下してしまうことがあります

短期的な心理的ストレス解消

短期的な心理的介入、例えば瞑想や深呼吸などは一時的なリラックス効果をもたらします。しかし、これだけでは迷走神経の健康を根本から改善するには不十分です。短期的な効果にとどまらず、日常的に質の高い睡眠や栄養を取ることが持続的な迷走神経の調節に関係してきます

心と体の両方のケアが迷走神経の安定に必要

迷走神経の健康には心理的要因と身体的要因の両面からのケアが必要です。長期的な睡眠改善やバランスの取れた食事が自律神経全体をサポートし迷走神経の働きをも助けてくれるのです。

ストレスと迷走神経の関係性

ストレスとは内外からの刺激や負担に対して体が示す反応です。この反応は交感神経系と副交感神経系が中心となり、さらに視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸と呼ばれる内分泌システムが支えています

迷走神経の重要な役割

  1. 副交感神経の要
    迷走神経は副交感神経系の中核を担い心拍を落ち着かせたり、消化を促したりといった「休息と消化」の働きを助けます
  2. ストレスの緩和と心身のリラックス
    迷走神経はストレスによる緊張状態を緩和し体をリラックスした状態に戻す役割も果たしています。これはストレスで活性化した交感神経の作用を和らげるための働きともいえます
  3. 体内の炎症抑制
    迷走神経は体内での炎症反応を抑える働きも持っており長期的なストレスが引き起こす炎症を和らげることに貢献しています

批判的な意見側から考え考えて見た。

  1. 迷走神経の役割が過小評価されているという意見
    迷走神経はストレスの緩和だけでなくストレスに対する認知や感情の反応にも重要な役割がある可能性が指摘されています。迷走神経の活動は脳と体の双方向のコミュニケーションを支えストレスの感じ方に影響を与えているかもしれません
  2. 自律神経の相互作用が見逃されがちな点
    自律神経系の交感神経と副交感神経は密接に連携して働いています。そのため迷走神経がストレス反応の早期段階から何らかの役割を果たしていると考えることもできます
  3. 最新研究の示す新たな視点
    最近の研究では迷走神経の刺激がストレス関連の問題に対して有効であることが確認されています。これにより迷走神経がストレス反応に関わる重要な存在である可能性が示唆されています

迷走神経の役割
迷走神経が脳と体の間のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしていることは明らかですが現在の研究では、迷走神経がストレスの認知や感情反応を主に担っているわけではないとされています。主なストレス反応は交感神経系とHPA軸に依存していると考えられます

交感神経系と副交感神経系の役割の違い
交感神経系は体を活性化させ迷走神経を含む副交感神経系はリラックス状態を助けます。そのため迷走神経がストレス反応の主導的な役割を持つとする見方は適切ではありません

研究結果の解釈
迷走神経の刺激がストレス関連の治療に効果的であるという研究結果は迷走神経がストレス反応を和らげる働きをしていることを示していますが迷走神経がストレス反応の中心的な要素であるわけではありません。この治療効果はストレスの緩和に関係している点が主な内容です

迷走神経とストレス反応

迷走神経はストレスによる緊張を和らげ心身をリラックスした状態へと導く重要な役割を担っています。しかしストレスそのものを引き起こすのは交感神経系やHPA軸であり迷走神経がそれに最も大きく関わっているという見解は現在の科学的な根拠に基づいていません。全体として迷走神経はストレスによる心身の負担を和らげるために不可欠な存在でありストレス管理において大切な役割を果たしていますが、約3か月でホルモン値や卵胞が見えないグループの卵胞の出現率の向上、空胞の数が大きく減少した結果、大きく作用しているのではないかと考えている所ではあります。

迷走神経が体表に近い場所

迷走神経(第十脳神経)は通常、体内の深い部分を走りますが、体表に近い場所もいくつかあります

注意
この迷走神経へのアプローチは鍼や電機は危険な場所であるので資格とかではなく知識と経験がない所では危険となります。例:迷走神経反射

耳介と外耳道周辺(Arnold神経)

迷走神経の一部である耳介枝(Arnold神経)は外耳道や耳介の皮膚に分布しています

  • Arnold反射
    外耳道を刺激すると咳が出る現象があり、これは迷走神経の耳介枝が関係しています。
  • 耳介迷走神経刺激法(taVNS)
    耳の特定の部位を刺激し迷走神経の活動を高める治療法が研究されています。この治療法は迷走神経の健康に有効とされる手法として注目されています
注意
この場所に関してはクリニックなどでも治療を開始している院が増えています(不妊症ではなく、自律神経などで)

頸部の頸動脈鞘内

迷走神経は頸部では頸動脈鞘内を通り内頸静脈と総頸動脈の間を下行しています

体表からの距離
頸部では体表から比較的近い位置にありますが胸鎖乳突筋や皮膚、その他の筋肉によって覆われているため直接触れることは難しい部位です

注意
当院では超音波を使用しておりますので直接アプローチできる箇所でもありますが、小まめに確認をしながら施術を行わないと危険な箇所です。

喉頭や咽頭の周辺

迷走神経から分枝する上喉頭神経と下喉頭神経は喉頭や咽頭の筋肉と粘膜に分布しています。

喉仏付近の触れやすさ
喉頭自体は喉仏付近にあり体表から触れやすい場所ですが、神経自体は体内の深い部分にあるため触ることはできません

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