運動後やスマホを見続けて寝落ちするのは良い睡眠ではない
「運動した方がすぐに寝れる」「スマホを見ていた方が寝つきが良い」と無意味な事を言う方も多くいます。しかし、これらの行動が一時的に眠気を誘い寝落ちをしてしまう場合それは実際には良い睡眠とは言えないのです
健康な睡眠とは布団に入ってから何もしない状態で20分前後で自然に眠りに入ることを指します。なぜ運動後やスマホを見ながらの寝落ちが良い睡眠とは言えないのか睡眠障害につながる可能性について話をしていきます
良い睡眠とは?「寝落ち」とは違う自然な睡眠
まず正常な睡眠とは次のような順序を経て体と脳が休息状態に入ります
- リラックス状態に入る布団に入ると副交感神経が優位になり心拍数が低下し、体温も少しずつ下がり始めます。これにより体がリラックスして自然な眠気が訪れます
- 20分前後で眠りに入る何もしない状態で目を閉じて20分前後で眠りに入ることが正常とされています。これがスムーズに進行する場合は深い睡眠へと移行しやすくなります
- 睡眠サイクルを繰り返す深い睡眠(ノンレム睡眠)と浅い睡眠(レム睡眠)を交互に繰り返しながら体と脳が完全に休息できる時間が確保されます
このように何もしない状態で自然に眠りに入ることが体と脳にとって最も健康的な睡眠となるのです
「寝落ち」実は脳や体が疲れすぎている
「運動した後はすぐに寝落ちする」「スマホを見ているといつの間にか寝ていた」という経験があるかもしれません。しかし「寝落ち」は良い睡眠とは言えません。なぜなら寝落ちは次のような問題があるからです
運動後の寝落ち:体が疲れすぎている状態
運動をすると体は一時的にストレスを受け、心拍数が上昇し、筋肉が酷使されます。激しい運動を行った後、体が疲労しすぎてしまうと寝落ちしやすくなるのです。これは体が「限界」に達し強制的に休息を求めている状態です
このような状態では体はリラックスしておらず交感神経がまだ活発なままです。そのため深い睡眠に入るまで時間がかかるか浅い睡眠が続くことになります。結果として睡眠の質が低下し、体の回復が不十分なまま朝を迎えることになります
スマホを見ながらの寝落ち:脳が過剰に刺激されている
スマホの画面を見続けるとブルーライトが脳に働きかけ眠気を抑制する効果があります。しかし情報を次々と得ることによって脳は興奮状態にありリラックスできないまま眠りに落ちてしまうのです
脳が疲れすぎているため瞬間的に「寝落ち」することができますが、この場合も深い睡眠に入ることが難しい状態です。スマホを見ながら寝ることが習慣化すると脳の興奮が続き、睡眠の質が悪化していきます。さらにブルーライトによってメラトニンの分泌が抑えられるため睡眠のリズムが乱れ不眠症の原因になることもあります
寝落ちの本当の問題点:睡眠の質が低下する理由
メラトニンの抑制による睡眠の質低下
運動やスマホの使用後に寝落ちする場合、メラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌が抑制されることが大きな問題です。メラトニンは体がリラックスし深い睡眠に入るための重要なホルモンですが夜間の運動やスマホの使用によって分泌が妨げられます
メラトニンが不足すると眠りに落ちるまでに時間がかか、寝ていても浅い睡眠しか得られません。この結果体の回復が不十分になり翌日の疲労感や集中力の低下を招くのです
睡眠サイクルの乱れ
寝落ちによって一見すぐに眠れるように思えても睡眠サイクルが正常に保たれていないことが多くあります。正常な睡眠サイクルでは90分ごとにレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返され、この過程で脳と体が回復します
しかし寝落ちのように脳や体が強制的に「オフ」になってしまうと睡眠サイクルが乱れ深い睡眠に到達できないことが多くなります。これにより起きた時に疲労感が残る、あるいは集中力が低下するなど日常生活に影響を与えます
良質な睡眠を得るために
「寝落ち」を避け良質な睡眠を得るためには、次のような習慣を心がけることが大切です
運動は夜ではなく昼間に
運動は健康に良いものですが夜遅くの激しい運動は避けましょう。運動は体温を上昇させ交感神経を活発にします。運動をするなら朝や夕方に行うことをおすすめします。これにより夜間には副交感神経が優位になりリラックスして眠りに入りやすくなります
寝る前のスマホ使用を控える
寝る前にスマホを使用するとブルーライトによってメラトニンの分泌が抑制されます。就寝1時間前にはスマホやタブレットを手放しリラックスできる環境を整えることが大切です
就寝前のリラックスタイムを作る
寝る前にはリラックスした状態を作ることが重要です。ストレッチや深呼吸、アロマテラピーなど、心身を落ち着ける習慣を取り入れましょう。これにより自然に眠りに入りやすくなります
寝落ちは本当の休息ではない
「運動後にすぐに寝落ちする」「スマホを見ながら寝落ちする」というのは一見良いことのように思えるかもしれません。しかし実際には脳や体が過剰に疲れているための強制的な休息であり良質な睡眠とは言えません。睡眠の質を高めるためには寝る前の習慣を見直し自然な眠りに入ることが大切です
体と脳をしっかり休め健康的な生活を送るために寝落ちではなく本当のリラックスから得られる深い睡眠を心がけてください
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