胚の分割が遅く凍結ができない原因(精子編)

採卵後に受精はするが胚の分割が遅く、結果として凍結ができない原因として精子が関係する理由

胚の分割が遅く凍結ができない原因(精子編)

採卵後に受精が成立しているにもかかわらず胚の分割が遅く、凍結ができない原因としての精子の可能性

採卵後に受精が成立しても、その後の胚発育において分割が遅れる、あるいは胚が適切に成長しないことで凍結ができないという問題は不妊治療において頻繁に報告される課題の一つです。この現象は単に卵子の質が原因であるとされることもありますが、近年の研究では精子の質が胚の発育遅延の原因となることが多く指摘されています。精子側の問題にはDNA損傷、染色体異常、エピジェネティックな異常、ミトコンドリア機能不全などが含まれます


精子のDNA損傷が胚発育に与える影響

精子のDNA損傷はDNA断片化という形で胚発育に重大な影響を与えます。受精後、胚が正常に成長するためには父親と母親双方から提供される遺伝情報が正常である必要があります。しかし精子にDNA損傷があると胚の発育が阻害されます

  • DNA断片化の影響精子のDNAが断片化している場合は遺伝情報のコピーが不完全になり細胞分裂の過程でエラーが生じます。これは胚の分割が遅れる一因となり最終的に凍結に適さない胚が生成されます。DNA損傷があると受精は成立しても発育途中で胚が停止するか細胞分裂が異常に遅く進行する可能性が高まります
  • エビデンス:Sakkas et al. (2002)の研究によるとDNA断片化が高い精子を使用した場合は胚の発育速度が遅れ受精後の胚発育が停止することが多く報告されています。この研究では精子のDNA断片化が胚の正常な発育に強く関連していることが示されています
  • 数的異常と構造的異常染色体数が異常な精子が受精すると胚が異常な遺伝情報を持つことになります。これにより細胞分裂が正常に進まず、結果として胚の分割が遅れる原因となります。特に染色体異常は胚発育の初期段階で検出されにくいことが多く受精は成立してもその後の発育過程で突然停止するケースが多く報告されています
  • エビデンスRubio et al. (2001)の研究では男性不妊患者の精子における染色体異常が胚の発育不全や分割遅延と強く関連していることが示されています。この研究は染色体異常が胚の発育に及ぼす影響を詳しく検証しており特に染色体異常がある精子を使用した場合、胚が正常に発育しない可能性が高いことを報告しています

DNA断片化は酸化ストレスや環境因子、ライフスタイルの影響で増加することが多いです。喫煙や過度の飲酒、肥満などは精子のDNA損傷を増加させる主要な要因とされています。これらの要因を改善しない限り精子のDNA損傷は受精後の胚発育に悪影響を与え続ける可能性があります

このような精子の染色体異常は精子形成過程で何らかの異常が発生していることが原因とされています。特に年齢が高くなると染色体異常のリスクが増加するため高齢男性の精子に染色体異常が発生しやすく胚発育に悪影響を与えるリスクが高まります


エピジェネティックな異常が胚発育に与える影響

精子には単に遺伝子情報を運ぶだけでなくエピジェネティックな情報も次世代に伝達する重要な役割があります。エピジェネティクスとはDNAの配列を変えずに遺伝子発現を制御するメカニズムのことでDNAメチル化やヒストン修飾が含まれます。精子におけるエピジェネティックな異常があると胚発育に必要な遺伝子が適切に発現せず胚分割が遅延することがあります

  • DNAメチル化の異常DNAメチル化は遺伝子発現を制御する重要なプロセスであり特に発育初期の胚において重要です。精子のDNAメチル化が異常であると受精後に胚が適切な遺伝子発現を行えず、分割が遅れる可能性があります
  • エビデンス:Urdinguio et al. (2015)は男性不妊患者の精子におけるエピジェネティックな異常が胚発育に悪影響を与えることを報告しています。この研究では特にDNAメチル化異常が胚の分割遅延に関連していることが示されており精子のエピジェネティクスの重要性が強調されています

精子のミトコンドリア機能不全が胚発育に与える影響

精子のミトコンドリアはエネルギー生産において重要な役割を果たしており、その機能不全が胚の発育に悪影響を与えることが知られています。特にミトコンドリアが正常に機能していないと受精後の胚発育に必要なエネルギー供給が不足し分割が遅れることがあります

注意
サプリを飲んでもミトコンドリアに対する影響は微々たるものです。生活習慣で活性化させることが1番です。酵素は論外です。

 

  • エネルギー供給の不足精子のミトコンドリアは、胚発育においても重要なエネルギー供給源です。精子由来のミトコンドリアが機能不全を起こしていると、受精後の細胞分裂に必要なエネルギーが十分に供給されず、分割が遅れる原因となります。
  • エビデンスSt John et al. (2010)は、精子のミトコンドリアが胚発育において重要な役割を果たしていることを示しており、ミトコンドリア機能不全が胚の分割遅延や発育不全に関連していることを報告しています。特に、ミトコンドリアが十分なエネルギーを供給できない場合、胚の発育が遅れるか、完全に停止する可能性が高まります

 

卵子側の問題が原因であり精子は関係しない?

確かに卵子の質は胚発育に重要な要因ですが精子のDNA損傷や染色体異常、ミトコンドリア機能不全などが、胚の分割遅延や発育停止に直接関与していることは多くのエビデンスにより示されています。精子の質が低下している場合、受精後の胚発育に支障をきたし胚が正常に発育しないケースが多く報告されています。Evenson et al. (2002) の研究でもDNA断片化が高い精子を使用した場合、胚発育が遅れるか、発育が停止することが明確に示されています

受精が成立しているなら精子には問題がないという考え

受精の成立は精子と卵子が融合したことを意味しますが、その後の胚発育には精子の遺伝情報の質が重要な役割を果たします。精子にDNA損傷や染色体異常がある場合、受精後の細胞分裂が正常に進まず分割が遅れることが多いです。これは単に受精が成立したからといって精子に問題がないとは言えないことを意味します。DNA損傷や染色体異常がある精子を使用すると受精後の胚が分割遅延を引き起こしやすく凍結に至る前に発育が停止する可能性が高まります


精子の品質改善策

胚の分割遅延や発育停止を防ぐためには精子の質を改善することが重要です。以下に精子の改善策を提案します

  1. 生活習慣の見直し:禁煙、禁酒、バランスの取れた食事、適度な運動を行うことで酸化ストレスを軽減し精子のDNA損傷を減少させることができます。
  2. 抗酸化療法:ビタミンC、ビタミンE、セレン、亜鉛などの抗酸化物質を摂取することで、酸化ストレスを軽減し、精子の質を向上させます。Greco et al. (2005)の研究では、抗酸化サプリメントの摂取が精子のDNA断片化を減少させ、胚発育の改善につながることが確認されています(酵素は論外)
  3. 精子選別技術の利用精子の質を向上させるためには高度な精子選別技術を利用することで、DNA損傷が少ない精子を選択し、胚発育の改善を図ることができます。De Iuliis et al. (2009)の研究では精子選別技術が胚発育率の向上に寄与することが示されています

結論

受精は成立しても胚の分割が遅れ、最終的に凍結ができない原因として精子側の問題が大きく関与していることは複数の医学的エビデンスによって明らかにされています。特に精子のDNA損傷、染色体異常、エピジェネティックな異常、ミトコンドリア機能不全が、胚の発育に重大な影響を与え分割遅延や発育停止の原因となることが示されています。精子の質を改善するためには生活習慣の見直しや抗酸化療法、精子選別技術の活用が重要であり、これにより胚の発育を改善し凍結可能な胚を得る可能性が高まります

 

注意
ぬくもり鍼灸院という鍼灸院ですが不妊に関して男女共に鍼は行いません。

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同時に改善が見込めるもの(追加料金なし)
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当院はエビデンス重視で男性不妊に関する精子の改善に取り組んでおります

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千葉県船橋市|不妊症鍼灸・整体|ぬくもり鍼灸院48歳での出産,低AMHの実績も多数あります